セラミック・ジルコニアなど(自由診療)による被せ物の治療

セラミックやジルコニアによる被せ物は、プラーク(口の中の汚れ)が付きにくいという利点があり、それは被せた歯が悪くなりにくいということにつながります。
また本物の歯に近い自然な見た目にでき、その白さが不変であることも利点です(保険適用のレジン前装冠やハイブリッドは経年劣化・変色を来します)。
歯の被せ物としてセラミックやジルコニアは世界的に標準的な材料であり、長持ちすることも証明されています。
自然な白さの歯を維持することは、口もとがいつまでも若々しく、健康的な美しさにつながります。

  • 奥歯は原則としてジルコニアになります(白く強度に優れています)。
  • 前歯はセラミックを使います。
  • 前歯のベニア治療は応相談となります。
  • 修理が必要な場合は被せ物をしてから5年間は無料保守をいたします。

当院で実際に行ってきたセラミック・ジルコニアによる被せ物の治療の例について、写真を交えながらご説明いたします。

前歯の被せ物をセラミックで作り替える治療

(治療例費用総額:¥168720(税込・形成印象・仮歯料金含む)

最初にお示しする症例は、他の歯科医院で被せてもらった前歯(保険適用のレジン冠)をセラミックで被せ直した治療例となります。
写真1のように、画像の真ん中より右側に見える歯に被せ物をしてありますが、明らかに色が調和していません。
患者さんのご希望によりセラミックで綺麗にしたいとのことでしたので、被せ物を外して土台となる歯の状態をしっかり検査したのちに、仮歯を装着して問題ないことを確認し、セラミックにて被せなおします。

写真2が、セラミックによる被せ物の治療が終わった後の状態です。このように前歯1本の被せ物を美しく作るには高度な技術と優秀な技工士さんが必要です。
きれいに仕上がると、患者さんも見た目に対するストレスから解放されるだけでなく、材質的にも優れているため、より効率的に歯の汚れを落とすことができます。(セラミック自体がプラークを寄せ付けないからです。)

変色した前歯をセラミックの被せ物で補強し、見た目も同時に改善させる治療

(治療例費用総額:¥193800(税込・ファイバーポストおよび形成印象・仮歯料金含む)

次にお示しする症例は、変色した前歯をセラミックによる被せ物で補強し、見た目も改善させた治療です。
写真1のように、画像の真ん中より左側に見える歯が変色しています。かなり前にひどい虫歯のせいで歯科医院で神経を取ってしまったとのことで、おそらくそのために生じた経年的な変色と思われました。
患者さんのご希望によりセラミックで綺麗にしたいとのことでしたので、土台となる歯の状態をしっかり検査し、まず根管治療を行いました。
その後、被せ物の支えとなる土台をファイバーポスト(自由診療)にて作り上げます。
最終的には仮歯を装着して問題ないことを確認したのちに、セラミックにて被せなおします。

写真2が、セラミックによる被せ物の治療が終わった後の状態です。この場合も前歯1本の被せ物を美しく作るには高度な技術と優秀な技工士さんが必要です。
やはり治療によって前歯の見た目が変わることは患者様にとっては非常にインパクトがあることを再認識させられました。

前歯2本のマニキュアの裏側に虫歯が進行したため、セラミックにて治した患者様

(治療例費用総額:¥337440(税込・形成印象・仮歯料金含む)

次にお示しする症例では、来院された患者様はこれまでホワイトニング専門病院?のような場所で歯のマニキュアを前歯2本に継続的に受けておられたのですが、結局はマニキュアが歯にしっかり定着しておらず土台である歯との間に隙間が生じていたために、マニキュアの裏側から虫歯となってしまい、 当院にてセラミックによる被せ物で治療を行っています。
写真1では、パッと見た感じではわかりにくいですが、上の前歯2本がマニキュアのようなものを表面に何層も塗布された状態で、それなりに白い歯の見た目を呈しています。
しかし、患者様のお話によると、歯と歯茎との間に隙間ができて引っ掛かり、物が詰まったりその隙間から黒いモノが見える、とのことでした。
お若い女性の患者様で、お話させていただくと私も感心するほど口元の美しさを大変重視される方でした。数回の診察時に十分にお話を伺い、しっかりとした仮歯を用意して治療にあたりました。
歯のマニキュアというのは、私が知る限りは医療行為ではなく、見た目だけを改善させるためのものですので、このように土台となる歯としっかり合っていない(適合していない)ということは十分に考えられます。
歯のマニキュアをしていらっしゃる患者様を診察させていただくことはありますが、美しく塗ってあるなあと思う場合もあれば、そうとは言い難い場合も多々あります。
やはり精密さを要求される歯科医療行為ではありませんので、このように結局は歯科治療が必要となる可能性は常にあると思っていただいた方がいいのではないかと思います。

写真2が、セラミックによる被せ物の治療が終わって1週間後の状態です。歯と歯の間の真ん中の歯ぐきも美しく下に伸びてきています。
この場合も前歯2本の被せ物を美しく作るには高度な技術と優秀な技工士さんが必要です。
患者様にも大変喜んでいただき、私としても記憶に残る治療となりました。

前歯2本の変色が気になるためセラミックにて治した患者様

(治療例費用総額:¥337440(税込・形成印象・仮歯料金含む)

お示しする症例は、当院の近くで勤務している男性です。コロナ禍となりリモートワークがメインとなった患者様でしたが、たまには出勤するとのことで、その際に来院されました。
写真1では、明らかに上の前歯2本が変色しています。伺ったところ幼少の頃に強打したことがあり、歯の神経をとる治療を受けたのことでした。
歯の神経を取る治療は、使う薬剤にもよりますが、その後経年的に歯が白から黄色っぽく変色していきます。
特に昔は治療後に歯そのものがこのように黒く変色する材料がよく使用されていました。
"リモートワークになりオンライン会議をした際に大画面に顔が映るようになり、それで前歯の色が強調されてとても気になった"、という主訴でした。
なるほど、そのようなことがあるのだなあと時代の変化を感じました。機能的には問題ない状態でしたが、明らかに審美的には問題でしたのでセラミックで被せ物の治療をしていくことになりました。
ただ、歯そのものはセラミックの被せ物で綺麗にすることはできますが、歯の根っこはすでに黒く変色していますので、どうしても治療後に歯ぐきを通して根っこの黒っぽい部分が透けるだろうことはお伝えいたしました。
このような問題は歯の根っこのホワイトニングや、歯ぐきの厚みを増やすといった再生治療(歯周外科治療)にて改善する場合もありますが、とても難易度が高い治療となり、そこまでは必要ないだろうということになりました。

写真2が、セラミックによる被せ物の治療が終わって2週間後の状態です。患者様ご本人には大変ご満足いただいています。
ただ治療前にお話させていただいたように、若干ではありますが被せ物に近い部分の歯ぐきから、治療前と同様に変色部が透けてややグレーに見えています。
これは、歯ぐきそのものの厚みと歯の根っこの色の問題となります。患者様ご本人は全く気にならないし、そこは笑っても見えない部分なので構わないとのことでした。
どこまで美しさを求めるか、というのは難しい問題であり、個人の価値観の問題でもあります。患者様と事前にお話させていただく場合は、この点をしっかりお話させていただき、齟齬のないように努めています。