まず、診査を行います。
(所要時間:30分程度)
インプラントが必要な部位と、残っている歯の状態の診査をいたします。X線撮影(必要に応じてCT撮影)も必要になります。
インプラント治療ができるのか、どの程度必要なのか、などは診査をすることでわかります。
診査の結果から、推奨される治療を説明します。
(所用時間:30分程度)
インプラントの治療を始める前に、
- 重度の歯周病やむし歯が口の中に残っていないか?
- インプラントを検討する部分に、問題がないか?(顎の骨の量など)
- おおよその治療期間について(インプラントのかぶせものが完成するまでの期間について)
- 費用について
を説明いたします。
重度の歯周病がある方は歯周病の治療を先にする必要があります。
重度の歯周病がある場合は、先に歯周病の治療を行い、歯周病が広がるのを止める必要があります。
インプラントはむし歯になることはありませんが、歯と同じように骨と歯ぐきによって支えられているため、インプラント版の歯周病(インプラント周囲炎)になることがあります。
放っておくと、せっかく出来上がったインプラントが抜けるリスクになってしまいます。
歯周病の治療については下記をご参照ください。
顎の骨が少ない場合は、骨量を回復させる外科治療(GBR)が必要になります。
- インプラントが必要な部分に対して、通常は1回のみの手術
- 所要時間:1〜2時間
- 治療期間:3〜6ヶ月程度
歯を抜くと、歯があった部分の骨はなくなっていきます。歯を抜いてしばらく時間が経っているとほとんど顎の骨が残っていない場合もあります。取り外しの入れ歯を使っているとなおさらです。
あるいは、もともと顎の骨の量が生まれつき少ない方もいらっしゃいます。
このような場合は、インプラントのサイズが顎の骨のサイズに合わないことがあり、治療が難しくなります。そのため、必要なサイズが確保できるように、減ってしまった顎の骨の量を回復(または増量)させる必要があります。
通常は、インプラントが必要な部分に対して、1回のみ行う手術となります。歯ぐきを切開する治療のため「手術」と表現しますが、医科で行うような大手術ではありません。診療室で局所麻酔下で行いますので、長くても1回が2時間程度です。
外科処置のため、術後に痛みや腫れがでることはありますが、日常生活に支障がでることはまずありません。ほとんどの場合、治療後に普通に就業・食事などしていただけます。
治療後は、インプラントができるようになるまで骨が回復するのを3〜6ヶ月程度待つ必要があります。
インプラント埋入外科治療を行います。
- 所要時間:1〜1.5時間
- 治療期間:2〜3ヶ月程度
多くの方がイメージするインプラント治療の手術に相当します。インプラントフィクスチャー(歯でいう根っこに相当)を顎の骨に設置します。「穴を開けてネジを埋め込む」というイメージです。
診療室で局所麻酔下で行います。外科処置ではありますが、治療後に大きな腫れや痛みがでることはほとんどありません。仮に痛みや腫れが出ても日常生活に支障がでることはまずありません。ほとんどの場合、治療後に普通に就業・食事などしていただけます。
治療後は、インプラントフィクスチャーが骨にしっかり固定されるまで2〜3ヶ月程度待つ必要があります。
*二次手術が必要な場合があります。
- 所要時間:30分〜1.5時間
- 治療期間:1〜2ヶ月程度
インプラントの種類や、埋入外科治療後の治り方(歯ぐきの中に完全に埋めているなど)によっては、二次手術が必要になります(特に前歯のインプラントの場合)。
また、インプラントの周囲の歯ぐきが不適当な場合にも、歯ぐきを整えるための二次手術(角化粘膜移植手術)が必要な場合があります。
診療室で局所麻酔下で行います。外科処置のため、術後に痛みや腫れがでることはありますが、日常生活に支障がでることはまずありません。ほとんどの場合、治療後に普通に就業・食事などしていただけます。
治療後は、傷口が治り歯ぐきの状態が整うまで1〜2ヶ月程度待つ場合があります。
かぶせもの(歯に相当する部分・歯冠)を作成する治療を行います。
口腔内スキャナーを使って、かぶせ物を作成する治療を行います。
必要に応じて、従来のように「型とり」を行うこともあります。
前歯のように、かぶせ物の色合わせが必要な場合は、専門の技工士さんにその場で色彩のチェックをしていただく場合もあります。
かぶせもの(歯に相当する部分・歯冠)を装着いたします。
(所用時間:30分〜1時間程度)
出来上がったかぶせ物をインプラントフィクスチャーに取り付けます。
メインテナンスに移行します。
推奨されるメインテナンス間隔
- 歯周病がない患者さんがインプラント治療をされた場合:4〜6ヶ月ごと(めやす)
- 歯周病があった患者さんがインプラント治療をされた場合:1〜3ヶ月ごと(めやす)
上記は目安であり、歯周外科治療を終えられた患者さんには、当分の間は1ヶ月ごとのメインテナンスが推奨されます。
その後の状態が安定していれば2〜3ヶ月ごとへと徐々に間隔をあけることも検討されます。
ただ、一度 歯周病になった患者さんは歯周病になりやすい傾向にあり、十分なメインテナンスを受けられない場合は高い頻度で歯周病が再発することが学術的に証明されています。
これはインプラントにもあてはまります。