高齢の患者さんに対して行われるインプラント治療の一つで、「取り外しの入れ歯をインプラントで支える」という方法です。
- 費用が比較的安い。
- インプラントの手術自体が比較的小さなもので済む。
- 今お持ちの入れ歯をそのまま使うことも可能。(新しく入れ歯を作る必要がある場合もあります。)
- 費用対効果が高いことが証明されている。 (入れ歯が安定するので、治療後にやってよかった、と患者さんが満足する度合いが高いことが学術的に証明されています。)
- インプラントのお手入れ(清掃)が比較的簡単である。 (入れ歯を取り外せますので、看護士さんや介護士さんによる口の中のお手入れが比較的簡単です。)
- トラブルが発生しても修理が容易。
<利点>
- 入れ歯であることに変わりはない。(あくまで入れ歯を支えるためのインプラントであり、就寝時などには入れ歯は取り外していただく必要があります)
<欠点>
高齢の方にとってインプラント治療というと、まず浮かんでくるのが、「治療が大変」「痛い」「インプラントの本数が多くなると治療費用が高額になる」ということではないでしょうか。
日本と同様に高齢化が進んでいる欧州では、老後の生活の質の向上、寝たきりになったときなどのインプラントによるトラブルを減らす、という観点からよく実施されています。
この治療法を選択される理由としてはやはり、
- 経済的負担が大きくて数多くのインプラント治療を受けることができない
- 高齢でいろんな全身疾患を抱えているので、大規模なインプラント治療を受けるのには抵抗がある
という方がほとんどです。
個人的な話になりますが、米国滞在時に一番印象に残っている患者さんは、還暦のお祝いにお孫さんからインプラントオーバーデンチャーの治療をプレゼントされた患者さんでした。
治療が終わって口の中にオーバーデンチャーが装着されたときは感激して泣いていらっしゃっいました。
私も主治医としてとても嬉しかったのをよく覚えています。